イスパニア語ブログ

FILOLOGÍA ESPAÑOLA

2021-01-01から1年間の記事一覧

Abrimos la boca.

大学時代、中南米文化に関する授業の中で、主にボリビアとペルー辺りのアイマラ族が話している「アイマラ語」についてプレゼンをしたことがあります。この、いわゆる先住民言語について調べる中ですごく興味深い新たな"言語学的概念"を知りました。それは「…

A buen hambre no hay pan duro

「空腹は最高の調味料」という、人間だけでなくすべての生き物に普遍的に当てはまるであろうこの言葉は歴史上で何人もの偉人たちが自著に残しているようですが、誰が一番最初に言ったのかは明確にはなってないそうです。そんな中、あのセルバンテスもこの言…

otro área

大学時代に心理言語学の授業で「言語学習において知識が付くことによって逆に簡単なことを間違えてしまう」という現象があると習いました。例えば、外国語を学び始めたばかりの初級者は文法どうこうは関係なしに「これはこういうもの」という風に正解をその…

Ni idea de de dónde es él...

ジャルジャルのYouTubeチャンネル「ジャルジャルタワー」で4月24日に投稿された「生涯、名前イジり合う奴」というネタの中で、イッシキキヨシという名前の母音がほぼ「い」であること、そして「き」が連続していることをめちゃくちゃにイジられており、「二…

"sensible" vs "sensitivo"

「Palabra del año 2020」の記事を書いている際にある日本語に迷わされました。Fundéu のホームページに載っている選考基準を日本語に訳す中で "suscitar interés lingüístico" の部分をぼくは初め「言語学的興味を"駆り立てる"」と訳しました。しかし、すぐ…

patético

首相在任中は原発推進派だった小泉純一郎元首相は退任後、反原発派として原発の撤廃を目指しているんだそう。なんでも、フィンランドのオンカロという場所を視察したことが「脱原発」という真逆の考えへ舵を切るきっかけになったんだとか。このオンカロとは…

cerveza は神様の代物?

日本に帰ったら食べたいもの・行きたい場所・やりたいことなど多々ありますが、その一つは「ビール工場見学」。もう数年日本のビールを飲んでいないこともあり飲むだけじゃ物足りず、その製造過程までも知りたいというヘンな段階まで来ました。見学の最後に…

Han electo a un nuevo presidente.

前回「Se me ha rompido.」では、rompido や ponido などのような規則形分詞は幼い子どものものだと思っていたら、実は中近世の時代まではその形が普通に使われていたという事実を知りました。これらの動詞の分詞は規則形が衰退し、不規則形のみが生き残った…

Se me ha rompido.

大学で受けた言語学の授業で、言語は単語であれ文法であれ時代を経るにつれて簡略化されていくものであると教わりました。例えば、古英語ではスペイン語のように人称によって動詞の活用が変化していましたが、その屈折が衰退したことによって現代英語では現…

ネイティヴの間違い : Tal vez haiga gente así.

ネイティブが犯すスペイン語の間違いということで、メキシコに来てから知った二つの間違いを見ていきます。

ネイティヴの間違い : Yo sepo a sal.

前回の記事「muy mejor」では、そのタイトル通りにぼくがネイティヴの口から聞いた"間違ったスペイン語"について調べました。結果、文法的にも間違いであり、実際に使ってしまうと教養がないと思われてしまうほどの避けるべきミスであると判明しました。muy …

muy mejor

ぼくのスペイン語の目標は「ネイティヴの感覚を掴むこと」。18歳からスペイン語を母国語ではなく、外国語として学び始めた以上、ネイティヴが持つスペイン語感覚を100%手に入れるのは不可能だと諦めています。しかし、文法書などからの"机上の知識"に加えて…

Me sale el tiro por la culata

「裏目に出る」という表現は、二つのさいころを振って出た目の和が偶数か奇数かを予想して掛ける丁半賭博に由来を持つんだそう。さいころの一の対面は六、二の対面は五のように奇数の"裏目"は偶数であり、裏目が出ることによって自分の賭け(=望み)と逆の結…

"オレの"落ち穂ひろい ④

ぼくの語学人生で一つの分岐点になる体験が高校生の時にありました。テレビ番組の奇跡体験アンビリバボーの中でアメリカ人親子のホームビデオが流れた際、5歳くらいの子がお母さんにくすぐられて「くすぐったいよー」という日本語の字幕が出ました。音声はそ…

ñ の民

前回の記事は Fundéu の Palabra del año 2020 の速報ということで間が空きましたが、前々回の「ñ の言語」 の続きを見ていきます。