イスパニア語ブログ

FILOLOGÍA ESPAÑOLA

Abrimos la boca.

大学時代、中南米文化に関する授業の中で、主にボリビアとペルー辺りのアイマラ族が話している「アイマラ語」についてプレゼンをしたことがあります。この、いわゆる先住民言語について調べる中ですごく興味深い新たな"言語学的概念"を知りました。それは「…

A buen hambre no hay pan duro

「空腹は最高の調味料」という、人間だけでなくすべての生き物に普遍的に当てはまるであろうこの言葉は歴史上で何人もの偉人たちが自著に残しているようですが、誰が一番最初に言ったのかは明確にはなってないそうです。そんな中、あのセルバンテスもこの言…

otro área

大学時代に心理言語学の授業で「言語学習において知識が付くことによって逆に簡単なことを間違えてしまう」という現象があると習いました。例えば、外国語を学び始めたばかりの初級者は文法どうこうは関係なしに「これはこういうもの」という風に正解をその…

Ni idea de de dónde es él...

ジャルジャルのYouTubeチャンネル「ジャルジャルタワー」で4月24日に投稿された「生涯、名前イジり合う奴」というネタの中で、イッシキキヨシという名前の母音がほぼ「い」であること、そして「き」が連続していることをめちゃくちゃにイジられており、「二…

"sensible" vs "sensitivo"

「Palabra del año 2020」の記事を書いている際にある日本語に迷わされました。Fundéu のホームページに載っている選考基準を日本語に訳す中で "suscitar interés lingüístico" の部分をぼくは初め「言語学的興味を"駆り立てる"」と訳しました。しかし、すぐ…

patético

首相在任中は原発推進派だった小泉純一郎元首相は退任後、反原発派として原発の撤廃を目指しているんだそう。なんでも、フィンランドのオンカロという場所を視察したことが「脱原発」という真逆の考えへ舵を切るきっかけになったんだとか。このオンカロとは…

cerveza は神様の代物?

日本に帰ったら食べたいもの・行きたい場所・やりたいことなど多々ありますが、その一つは「ビール工場見学」。もう数年日本のビールを飲んでいないこともあり飲むだけじゃ物足りず、その製造過程までも知りたいというヘンな段階まで来ました。見学の最後に…

Han electo a un nuevo presidente.

前回「Se me ha rompido.」では、rompido や ponido などのような規則形分詞は幼い子どものものだと思っていたら、実は中近世の時代まではその形が普通に使われていたという事実を知りました。これらの動詞の分詞は規則形が衰退し、不規則形のみが生き残った…

Se me ha rompido.

大学で受けた言語学の授業で、言語は単語であれ文法であれ時代を経るにつれて簡略化されていくものであると教わりました。例えば、古英語ではスペイン語のように人称によって動詞の活用が変化していましたが、その屈折が衰退したことによって現代英語では現…

ネイティヴの間違い : Tal vez haiga gente así.

ネイティブが犯すスペイン語の間違いということで、メキシコに来てから知った二つの間違いを見ていきます。

ネイティヴの間違い : Yo sepo a sal.

前回の記事「muy mejor」では、そのタイトル通りにぼくがネイティヴの口から聞いた"間違ったスペイン語"について調べました。結果、文法的にも間違いであり、実際に使ってしまうと教養がないと思われてしまうほどの避けるべきミスであると判明しました。muy …

muy mejor

ぼくのスペイン語の目標は「ネイティヴの感覚を掴むこと」。18歳からスペイン語を母国語ではなく、外国語として学び始めた以上、ネイティヴが持つスペイン語感覚を100%手に入れるのは不可能だと諦めています。しかし、文法書などからの"机上の知識"に加えて…

Me sale el tiro por la culata

「裏目に出る」という表現は、二つのさいころを振って出た目の和が偶数か奇数かを予想して掛ける丁半賭博に由来を持つんだそう。さいころの一の対面は六、二の対面は五のように奇数の"裏目"は偶数であり、裏目が出ることによって自分の賭け(=望み)と逆の結…

"オレの"落ち穂ひろい ④

ぼくの語学人生で一つの分岐点になる体験が高校生の時にありました。テレビ番組の奇跡体験アンビリバボーの中でアメリカ人親子のホームビデオが流れた際、5歳くらいの子がお母さんにくすぐられて「くすぐったいよー」という日本語の字幕が出ました。音声はそ…

ñ の民

前回の記事は Fundéu の Palabra del año 2020 の速報ということで間が空きましたが、前々回の「ñ の言語」 の続きを見ていきます。

Palabra del año 2020

いつか、スペイン語の remontada という単語がフランス語の辞書に記載されるという日本のニュースを読みました。果たしてこんなニュースに食いついた人間は日本に何人いるのでしょうか?そもそもどこに需要があると思って日本語にされたのか?まあ、いずれに…

ñ の言語

アラビア語に対してどんなイメージを持ってますか?右から左に文字を書いていくということはなんとなく知っている人も多いと思いますが、よく聞くのは「ミミズが這ったような文字」というもの。ぼくからしたらラテン文字の筆記体の方がミミズっぽく思えるん…

"PERjuicio" vs "PREjuicio"

言語というものは人間に与えられた特殊能力だと思っていましたが、人間が言語を認識する能力は案外適当のようです。次のスペイン語の文を読んでみてください ↓ Sgúen etsduios raleziaods por la Uivenrsdiad ignlsea de Cmdibrage, no ipmotra el odren en …

スペイン語における"バグ"

「3月1日は日曜日で祝日、晴れの日でした」日本語とスペイン語の通訳をしているメキシコ人の友人にこの文を見せられ、「ほら、日本語って難しいでしょ」と言われました。彼曰く、この一文に日本語の難しさが凝縮されているとのことですが、何が難しいのかさ…

欠如動詞

前回からの続き。今回は残り二つの欠如動詞グループを見ていきましょう。

verbo defectivo とは?

6年使ってきた電子辞書が今年の5月に壊レタ。。。辞書がないとこのブログを書く時に必ずぶち当たるスペイン語の文法用語の日本語訳を手に入れられないという問題があります。ブログを書くにあたってその日本語訳は必須。ネットでスペイン語で調べたらその定…

スペイン語の故事成語

"Quien no ha visto Granada no ha visto nada"グラナダと言えばアルハンブラ宮殿をはじめとする世界遺産が複数ある観光都市であり、観光大国スペインの中でも人気の高い場所ですよね。さらには、1492年の「グラナダ陥落」によってレコンキスタが完了した場…

「ラジオリスナー」はスペイン語で?

前回からの続き。スペインでもメキシコでもネイティヴは oír と escuchar を使い分けていないという事実が明らかになったわけですが、彼らがその違いを知らないわけではないというのもまた事実。つまり、厳密な違いを理解しつつも一緒くたに使用しているのが…

"oír" vs "escuchar"

今回の表題。スペイン語を学ぶ人間が必ず通るこの二つの動詞の使い分け。今更説明の必要なんてないですよね。英語でも hear と listen は違うということは習いますし、そこから hear = oír =「聞こえる」、listen = escuchar =「聞く」という方程式で頭に叩…

Mi media naranja resultó ser un medio limón...

今日9月30日は「翻訳の日」。ぼくの今の仕事は通訳であり、中学生の頃から将来の夢は翻訳者よりも通訳者でした。仕事上翻訳もしますがあくまで自分は intérprete だと思っているので、会社で traductor と呼ばれるのがあまり。。。(笑)ただ「通訳の日」と…

Esto me recuerda a la pesadilla...

今回のタイトル「あの悪夢を思い出しちゃったよ」。違和感ありますか?ぼくはアリアリです。先に言っておくとこの文は100%正しい文なので、違和感を覚えない方がセンスありなのですが。。。

¿Me podrías presentar a tu familia?

スペイン語やアラビア語を学び始めて母国語の日本語に対しても言語学的に敏感になっていた頃、YouTubeのある動画のタイトルにひっかかりました。「安倍晋三首相が嫌いな有名人」安倍政権に批判的な意見を持つ人は少なくなかったので「安倍さんのことが嫌いな…

この世は「右尊左卑」?

今回のテーマの記事を書き始める際にふと頭を過った「absurdo の surdo はzurdo?」という疑問についてですが、absurdo の語源を調べてみると、、、 ラテン語の absurdus に由来この語は ab- と「耳が聞こえない (sordo)」を意味する surdus から成るキケロ…

右利きは傲慢?

8月13日は「左利きの日」らしいです。人生四半世紀目にして初めて知りました。学生時代、左利きの友だちが嘆いていました。「この世は右利きの右利きによる右利きのための世界である」と。そして「右利きの人間は傲慢である」と。それまで気にしたことなんて…

letra MUDA

アラビア語には ة(ターマルブータ)という文字があります。しかし、この何だか響きがいい文字はその特異性から教科書の1ページ目に載っているようなアラビア文字表には実は入っていません。そもそも、このターマルブータとはアラビア語で「結ばれたター」と…